アニメとかの感想書留

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ポケットモンスター 光輪(リング)の超魔人フーパ

劇場版ポケットモンスター第18作。リングの超魔人フーパの感想です。私は劇場で一回しか見ていないので、細部見落としているところや台詞の記憶違いは多々あると思います。

 

あらすじ

「100年前、砂漠の街「デセルシティ」は、強大な力を持つポケモンによって壊滅的な被害を受けていた。そこへ現れた旅人が、不思議な力を持つツボでそのポケモンを封印したことで、デセルシティの人々は平穏な時間を取り戻していた。

そして時は流れ現在、旅を続けるサトシ達一行は、不思議なリングを使って色々なものを取り出したりする力を持つ謎のポケモン「フーパ」と、フーパの世話をしている少女・メアリと出会う。無邪気でいたずらとドーナツが好きなフーパは、サトシとピカチュウを「サートン」「ピーカン」と呼び、サトシ達とすぐに仲良しになる。デセルシティに着いたサトシ達は、メアリの兄・バルザと出会うが、フーパはどこか怪しい雰囲気のバルザと、彼の持っていた「いましめのツボ」にひどく怯える。バルザはフーパの姿を確認すると突然、ツボの蓋を開け、ツボの中から噴き出した「影」に包まれたフーパは苦しみ出し、邪悪な気配をまとった巨大なポケモンへと姿を変えた。それはフーパの本来の姿である「ときはなたれしすがた」であり、かつてデセルシティに大きな被害をもたらしたポケモンでもあった。「ときはなたれしすがた」となったフーパに襲われたサトシ達だったが、メアリと「いましめのツボ」の力によって、フーパは再び「いましめられしすがた」へと戻った。その後、ツボに封印されていた「影」にバルザが操られていたことも判明した。

サトシ達はメアリと、「影」から解放されたバルザの話から、100年前にデセルシティで起きた出来事、フーパの力の一部を「いましめのツボ」に封印した旅人がバルザ達の曾祖父・グリスであること、そしてツボに封印されていたフーパ本来の力が長い年月を経て「怒り」となり、フーパを取り込むことで再び暴れだそうとしていることを知る。フーパの暴走を防ぐ方法を探り始めるサトシ達だったが、フーパと「いましめのツボ」の秘密を知らないロケット団がツボを盗もうとしたことで、ツボに封印されていた「影」が解き放たれる。バルザとメアリは、「影」に抵抗するフーパと共に暴走を抑えようとするが、「いましめのツボ」は壊れてしまい、行き場を失った「影」は、邪悪な気配をまとった「超フーパ」として蘇ってしまう。

サトシ達はフーパを捕らえようとする超フーパの猛攻をかわし、壊れたツボを復元させるため、そしてデセルシティを守るためにフーパが「おでまし」した伝説のポケモン達と共に一致団結する。そしてそれに対抗するべく超フーパも伝説のポケモン達を「おでまし」して操り、迫り来る。伝説VS伝説による史上最大のポケモンバトルが開始された。」

 

引用;ウィキペディア

 

 暴れん坊のフーパが「力」と「本体」に分離されて、そのツボに封印された「力」の方が本体の「影」になって本物に乗り替わろうとするんですけど、サトシの説得を受けた本体のフーパは「影」と和解する、っていうのが大まかな前半戦の内容になっています。しかし物語はこれではまだ終わらない。影と和解して本来の力を取り戻したフーパなんですけど、暴れすぎたせいで街が崩壊してしまいます。フーパは街の皆を安全な土地に移すためにリングの力で空間移動させますが、自らはツボの戒めの力が残っておりリングを通り抜けることができません。しかし「みんなと一緒に居たい」という思いがついに戒めを破るのでした。

 次の土地を目指してフーパとお別れを告げるサトシたち一行でしたが、フーパはでセルシティで壊してしまったビルの建設の手伝いをするのでした。

 

感想

 まずはこの映画、話の内容自体は、まあ良かったかな、と思いました。可もなく不可もなく、という感じです。前作のディアンシーの時に感じた物語としての具体性の欠如は相変わらず不安要素として残っています。特にサトシというキャラクターの必然性のなさについては、前作と同様にう~ん、と頭を悩ますところです。

 でも今回突っ込みたいのはそこじゃなくてね。あらすじのところでも書いた通り、サトシの説得を受けた本体のフーパは「影」と和解する、っていう展開があるんですけど、これって、本来は誰かに説得されるんじゃなくて、フーパ自身が気付かなければならないところだと思うんですよ。そもそもフーパは、金銀財宝目当てでフーパに近づいてくる人たちに調子に乗せられて暴走したわけで、戒めのツボを作りフーパの力を封印した張本人のグリスが、その後フーパと生活する中でフーパに教えたかったことは、「利害目的だけじゃない、本当の信頼関係を築き上げなさい」っていうことだった(はず)です。そういうグリスの意思に自ら気付くことが、フーパって言うキャラクターの成長であり、この物語の醍醐味だと思ったのですが…サトシとの出会いがきっかけになって、それでフーパ自身が気付くっていう展開ならまだしも、説得されて納得するのはちょっと違う気がする。っていうか、その説得する人物がバルザやメアリといった、長年の友人とかならまた意味合いは違ってくるんですけど、サトシは親しいとはいえ、昨日今日で友人になった他人。そんな人に一任されていいセリフじゃないような気がします。

 いろいろ書きましたが、目立った欠点はそれくらい(←と言っていいのか分かりませんが)かな、と思いました。

 しかしこの映画、映像的な演出やファンサービスが強くて、細かい粗なんて気にしないで済むくらい臨場感に溢れる持ち味になっております。今までの伝説のポケモンたちが登場するだけでなく、アニメで登場したキャラクターもゲスト出演したり、サトシが伝説のポケモンラティオスラティアスレックウザ)に支持を出したりと、やりたい放題です。

 サトシが レックウザの竜巻+ラティアスラティアスサイコキネシス でバリアを張るように指示を出したときはビビったよ。なんで伝説のポケモンたちの覚えている技を把握しているのかとか、そんな細かい矛盾は気にしてる暇も無くサトシ凄すぎ!って思っただけですね。伝説を呼ぶフーパよりも伝説に指示してるサトシの方が恐ろしいよ。

 ムサシのソーナンスも珍しく活躍していました。相変わらずのムサシの「ソーナンス、よろしく!」という投げやりな指示に対し、カウンターかミラーコートか瞬時に見分けてギラティナシャドーボールを跳ね返すという離れ業をやってのけてました。さすがソーナンスさん

 こんな感じで見せ場はたくさん用意されていましたし、飽きさせないワクワクする展開に魅せられる映画ではありました。話の盛り上げ方の緩急のバランスにも優れていました。

 あの臨場感は劇場版で見てこそ、っていう面もあるので、DVD後で借りようかなと迷っていた私は行って観てよかった、としみじみと思いました。