第30話 沈黙のメシア覚せい? 運命の星々
脚本;榎戸洋司
作画;長谷川眞也
演出;小坂春女
美術;浅井和久
あらすじ
『魔笛』レベルにデタラメな内容なので、省略します。簡単に説明すると
ちびうさ、ほたる、うさぎたち5人がプラネタリウムに行く
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ダイモーンが襲ってくる
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戦いの最中、ほたるのセーラーサターンとして少し覚醒
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ウラヌスたちVSムーンたちのドタバタ劇
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カオリナイトの不思議な力で万事解決
ってな流れ…ゴメンよ魔笛は言い過ぎた。
感想
説明回。例のごとく意味も無い情報が明かされまくります。
もう考えるのがアホくさいレベルだからすっ飛ばしちゃおうかな、って思ったんですけど、そうすると他に書くことが無くなるので、ワタシ、ガンバル!!
聖杯が出現してから外部太陽系三戦士が隠し持っていた情報は以下の三つ。
・外部太陽系三戦士の正体
・異次元からの侵略者である敵の正体
・土萌ほたるが滅びの戦士、セーラーサターンの可能性があること
三番目はとにかく、他の二つは隠す意味ないですよね。なんかこう、ファンブックだけに載ってる後付けみたいな情報を、意味ありげにもったいつけられるとホントにカチンとくる。「ほたるとちびうさの友情を描くためにシナリオが進行してはいけない」という大人の事情のせいで、視聴者に「シナリオ的に足踏みしている」印象を抱かせないようにするために、シナリオに全く影響のない事実を少しずつ明かすことで見かけ上シナリオが進行しているように思わせる、といういわば詐欺のような手法を30話もの長期間使わないでください!!!
まあ、それはもういいんだけどさ(いいのかよ!)。この話の場合それ以上に問題になるのは、他の登場人物が軒並み馬鹿になる恐ろしい話の展開。
せつなさんもさあ、「私も、これ以上あなた方に真実を告げないまま戦うことができないと思います」とか言ってるくせして、土萌ほたるの正体について一切触れないし。この言葉の前置きってさあ、「戦いが終盤に近づくにつれて、いよいよ外部太陽系たちもセーラームーンたちの協力を仰がなければならないほど、事態が緊迫している」って状況を表してるんじゃないのかい!自分たちの力量を超えた「セーラーサターン」っていう問題があるからムーンたちの協力が必要、って流れだったんじゃないんかい!
っていうかさあ、もうそもそも、聖杯が出現したこのタイミングでデス・バスターズの正体なんて話してるのがおかしいんだけど。だって、太平洋戦争の終盤で、将軍たちが「実は戦争相手のアメリカって国、白人の国なんだぜ」って話してるみたいなもんじゃん。正気を疑うぜ!
マーズもあからさまに重要な予知夢を見ておきながら、うさぎたちに一切合財言わないし。心配させたくないから言い出せない、みたいな描写がありますけど、本当は信頼していないのでは?うさぎたちの関係なんて、普通の友情の枠をはみ出た戦士としての絆が前提にあるわけですし、それでも言い出せないって言うことは、やはり信頼していないんだと思います。
今回の話に関しては、ミメットまでもが迷走してるし。ピュアな心の結晶を奪っておきながら、計画の妨害をするとは到底思えない無害な一般人に必殺技ぶっ放すっていう、いかにも悪者のやりそうなことをさせられる。しかも、セーラー戦士が登場したらダイモーンに任せてすぐに撤退するという始末。そのダイモーンが飲み込んだピュアな心の結晶が欲しくてここまで来たんじゃないのかい、あなた。「まだ敵陣がほたるの正体に気付いてはいけない」っていう大人の都合があるからこういう無理矢理な展開にさせられたのかと思いきや、最後の最後に土萌教授が「そうだ、あの娘は破滅の星を守護に持つセーラーサターンだ」とか言っちゃってるから、本当に意味不明な展開になってるし。
もっと意味不明なのは、レイの台詞。ほたるに攻撃を仕掛けるウラヌスたちにレイちゃんが「たとえサターンが滅びの戦士でも、それを封印するためにほたるちゃんを殺す権利なんて誰にもないわ!」って言うんですけど、「何言っちゃってんの、こいつ?」って正気を疑うレベル。地球を守るために、悪の知的生命体を殺しまくってきたお前らが良く言えるな。「たとえクインベリルが滅びの戦士でも、それを封印するために彼女を殺す権利なんて誰にもないわ」ってジェダイトが言う、って構図とまるっきり同じだって気付かないの?気付いて。
ってかそもそも、ほたるが地球を滅ぼすことを前提に話していることがおかしんですけどね。要するにほたるって、「地球を滅ぼすレベルの力をもったセーラー戦士」な訳でしょう?めちゃめちゃ戦力になりそうなんだけどね。まあ一応そこらは後々説明になってない説明があるので今回は追及しないでおくけど。
まったく、問題児ばかりで困っちゃうぜ!
まあ、色々言ったけど、ほたるとちびうさの友情に関しては、例のごとくメチャメチャ丁寧だなって思いました。簡単に説明すると
「トモエさん、一緒に宿題やろうよ」と声が聞こえて、下校途中のほたるは自分が呼ばれたのかと思ってワクワクするけど、勘違いだと気付いてガッカリ。
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そのすぐあと、ちびうさがほたるを待っていてくれた。プラネタリウムに一緒に行こうと誘われる
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「寄り道は無理」とガッカリするほたるを強引に誘う。しかし、ちびうさが自分勝手な訳ではなく、「わたしも一緒に謝るから」と相手のことを思いやる描写もあり。
ってな感じ。