アニメとかの感想書留

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きまぐれにアプモン感想 1~8話まで

 アプリがコンセプトのデジモン。そう聞くと、いくつもシリーズがあって歴史あるデジモンのアニメにしては目新しいことを始めたように思えるような気もしなくもないけど、デジモンって毎回ガラリと作風を変えるので別に驚くことでもないっていう。

 しかし意外と今回のデジモンは今までのシリーズと比べて新しいかも、と思ったのは、モンスターのスケールがこぢんまりしているところかな。今作に登場するデジモンは、ポケモンとたまごっちの中間くらいのイメージ。デジモンって攻撃的、というよりは破壊的な生き物なイメージだったので、個人的にはかなり新鮮に感じたかな。

 正直1話を観た時点では…不安しか感じなかったりした。1話の内容は、あんまり目立つタイプでは無いことをコンプレックスに感じている新海ハルが、自分が憧れる物語の主人公のような存在に一歩踏み出して挑戦できるかどうか、という話。しかしこの話、「戦いの中で一歩踏み出せるか」っていう主人公の葛藤の解決方法が「アプリドライブにチップをセットする」というなんともNOリスクHIGHリターンなことに掛っているので、見ている側としては「はよせい!!」って思うだけの微妙な展開に。しかも主人公のデジモンの能力がまた微妙で、その内容と言うのは『検索』。パッとしない上に、イマイチどういう能力か分からないっていう…

 しかも、このハルの主人公問題、結構中々重要であるかのような描写だったにも関わらず、2話(?)からは殆ど忘れられていて…その上、パートナーのデジモン、ガッチモンとの友情物語が描かれる4話も、ハルがガッチモンをないがしろにする理由がイマイチ語られないから、その後の「ガッチモンはいつの間にか大きな存在になっていたんだ」って話しもちょっとピンと来ない内容になっていたかな。

 しかも、その直後のタイミングで現れた2人目のアプリドライバー、花嵐エリもまっとうなのか変なのか描写が曖昧で、早くも空気キャラの匂いがプンプンするという…。

 ダメだこりゃ。そう直感したものの、やはり1話だけで決めつけるのもいけないかなと思って取りあえず1クールは視聴継続してみることに。

 で、そのタイミングで登場したのが飛鳥虎二郎というメイン新キャラ。「ノレる?ノレない?超ノレるっ!」というのが口癖の黄色い小学生Youtuber。エリさんみたいに病気のように口癖を連呼する虎二郎君を初めて観たときはこりゃダメだって思ったんだけど…意外にも良い話だった。

 陽気なノリで見た目アホっぽいキャラな虎二郎君なんだけど、昔は今とは真逆で、聞き分けの良い大人しい子供だったっていう話。友達からYoutuberの存在を教えて貰って、ちょうどそのタイミングでミュージモンと出会って、はっちゃけた新しい自分の一面を発見するっていうお話。ギャップの描き方にグッと迫るモノがあって、虎二郎ってキャラの心を感じたかな。あと、虎二郎とミュージモンのちょっと奇妙な友情にも迫るモノがあったのもGOOD。人って付き合う相手によって自分でも意外な色んな一面を見せたりするので、ミュージモンは虎二郎にとって気負う必要のなく子供っぽい一面をさらけ出せる友達なのかなって思ったりもした。

 こんなこと書いておきながら言うのもなんなんだけど、個人的にはあんまり「子供っぽい」って言葉が好きじゃなかったりする。自分の幼少時代を思い出すと…ちょっとませたところがある子供だったから、「子供は子供らしく」っていう意見を耳にすると、子供っぽく振る舞うことがその子にとって不自然な場合だってあるじゃん、って反論したくなるんだよね。でも、虎二郎とミュージモンのように、誰かに強制されたわけでもなく、シナリオの都合的に不自然な力が働いた結果じゃなくて、自然と子供らしい一面を見せられる関係っていうのはちょっと良いな、って観ていて思ったりした。

 で、次の週も続いて虎二郎メイン回だったんだけど、その週もまたいい話だなって思った。虎二郎君はYoutuberの中でも有名で人気なんだけど、デジモンの悪戯で動画のイイネの数が激減してしまうっていうのが事の発端。そして虎二郎に替わって人気急上昇の新手Youtuberに対抗意識を燃やして、イイネの数を稼ぐために手段を選ばなくなっていくんだけど、ミュージモンと最初に動画を上げたときの初心を思い出す、というお話。

 ちくわをストロー代わりに使う動画は面白くて、オナラで音楽を歌うのは倫理的にアウトって周りの人間のリアクションとかよく分からなかったりしたけど、前回チラッと触れられた虎二郎とミュージモンの関係をさらに掘り下げられていてこの回もかなり好き。昔はイイネなんて全然貰えなかったけど、動画を投稿し始めた頃の高揚感とか、ミュージモンと動画を作り上げる工程が楽しかったんだ!!って初心を思い出す展開は、ミュージモンとの友情が描かれていることもそうだし、妙にリアリティがあるところも好きなんだけど、「ノレる?ノレない?超ノレるっ!」って口癖に「自分の正直な気持ちと向き合って好きなことを見つけよう」っていう虎二郎の気持ちの裏付けされる結果になっているところも好きかな~。

 虎二郎メインの2話が良かったからといって、これまでの話で感じた不安が完全に払拭されたわけでもないんだけど、作品全体の印象としては一気にプラスに傾いてしまった。さて、今週はどんな内容だったのかなと珍しくちょっとワクワクした気持ちで録画を開こうかな。

 

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