アプモン21話感想
今週のアプモンの感想は…可もなく不可も無く。こう書くと、今週の内容はつまらなかったというような印象を受けるかもしれないですけど、つまらないこともありませんでした。こういうところを踏まえた上でやはり可もなく不可も無くって感じです。
さて、今週はエリメイン回なんですけど…
アプリ山470の選抜をかけて、エリが猛特訓する話。エリを特訓するのはコーチモンというアプモンなんですけど、コーチモンはリヴァイアサンの手下のミエーヌモンの直属の部下。勿論、エリの特訓も、エリを陥れるための戦略みたいです。
特訓メニューとして無茶難題を押し付けるコーチモンでしたが…へこたれないエリの熱い闘志によって己のコーチ魂に火をつけられてしまったコーチモンは、ミエーヌモンの部下をやめてエリに寝返りました!!
そしてなんと…コーチモンは、ドスコモンが極み進化するために必要なデジモンだったのです!!
というような話。
コーチモンがドスコモンの極みアプモンだっていう設定自体は意外性があって面白いんですけど、エリがそもそもそんな熱血キャラじゃないので、ちょっと展開を極み切れてない感じがしました。なんかイマイチ盛り上がりに欠けると思って観ていましたけど、問題点はココですね。
「普段はクールな女の子だけど、アイドル関連のことになると一変して熱血キャラになる」っていう風にこれまで描かれていたなら、彼女のギャップとして魅力的に見えた話だとは思います。しかしなんせ、日常会話で突っ込まれることも突っ込むこともありーの、冷静なお姉さんキャラかと思えば小学生のアストラとの喧嘩仲間として描かれることがありーの、占いにのめりこむ描写ありーの、といった感じなので…「ああ、またいつもの暴走か」って思ってしまって、イマイチ展開に入りきることができないんですよね。
エリのキャラ設定の土台の脆さはこのブログ内でも何度か言及してきましたけど…こういう話があると、やはり勿体ないと思ってしまいました。
見切り発車は危険ですね。
ところで、全く別の話になりますけど…
極みアプモンって、かなり設定があやふやなんですよね。
そもそも極みアプモンの存在が明かされたのは、16話、つまり今から5話前の話でのことです。このときはハルの相棒、タイムモンが登場して、自らがドガッチモンの極み合体の相手であることを明かしていましたが…ここで、彼は「自分が認めた相手じゃないと極み合体しねーよ」というようなことを言います。
つまり、極み合体をするためには、相方のアプモン(タイムモン)のご機嫌取りをすることがカギになります。アプリンクできるアプモンは一種類のみ、と物語のかなり冒頭の方で明かされているので、絆が芽生えたアプモンとなら誰とでもアプリンクできるって話ではないんですよね。また、ハル、エリ、アストラそれぞれのデジモンの極み進化の回を観直しても、パートナーデジモン、あるいは人間が成長しないと極み進化が発動しない、というわけでもないことが明らかです。やはり、極み進化をするために必要なアプモンに気に入られることが絶対条件、と考えてよさそうです。
おかしな設定ですね。
一応言っておきますけど、これ、公式な設定じゃないです。あくまでも、物語の展開から逆算するとそういう結論になってしまうよ、って話です。
じゃあなぜ、そんな設定が生まれてしまう物語の流れができあがってしまったのか、といいうことになってきますけど…16話の影響が大きいのかな、と思います。
16話でタイムモンは「今のお前たちとじゃ極み合体できない」と言いましたけど、その理由については全く説明しませんでした。そうなってしまうと、もう理由を補足する機会って与えられないんですよね。
いざパワーアップ回に突入!!というタイミングで理由を付け足すのはかなり無理があります。5話という短い期間で三体のアプモンがパワーアップしたことを考えても、脚本家同士の連携は取れてないと考えるのが自然でしょう。片や「極みアプモンに気に入られたから合体できたんだ」という話になってしまい、片や「人間が成長したから合体できたんだ」っていう話になってしまい、片や「いやいや、ベースのデジモンが強くなったから合体できたんだ」って話になってしまうと混乱を招きかねないので、それを避けるためにも具体的な理由については言及しないのが利口な選択なんでしょうね。
結果、確かに大混乱は回避されていたとは思いますけど…霞がかかったようなボヤボヤっとした印象が残る三大パワーアップ回となってしまいました。
見切り発車って危険ですね。
はやり、結論はコレに落ち着きます。