アニメとかの感想書留

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感想「どれみと魔女をやめた魔女」

おジャ魔女どれみどっか~ん。


私が物語を好きになった一つの作品でもある。なんかこの季節の境目の時期になると、思い入れが深い作品のことをふと思い出してしまうんですよね。

というわけで、本日は気まぐれで「どれみと魔女をやめた魔女」の感想を書こうと思います。

「どれみと魔女をやめた魔女」は、4シリーズ続いたおジャ魔女どれみという作品の中の最後の4シリーズ目の40話にあたる作品です。
どういう話かと言うと…


魔女見習いのどれみはある日、「みらい」という名前の魔女と出会う。どれみはこれまでの4年間の中でたくさんの魔女と出会って来たけど、みらいさんは「不思議な人(魔女)」という風に感じる。どれみはみらいの家に通い詰めるようになる。みらいからガラス工芸を教えて貰いながら仲良くなっていく。
どれみはみらいに自分の悩みを打ち明けるようになる。友達は将来の夢や光る才能を持っているのに、自分だけがまだ何も見つけられないという話をする。みらいは「見つからなくていいじゃん」と言う。
どれみはみらいの家で、ドレッサーの鏡にたくさんの写真が貼られているのを見つける。その写真はみらいの宝物らしい。写真には、色々な国の色々な人が映っていたが、みらいは国から国へ、町から町へとすぐに越してしまう、という生き方をしているらしい。(人間とは壽命の違う)魔女は、そうしていた方が不都合が生じないのだという
そして時間は経ち、ついにどれみは、グラスを作ることに成功する。しかし、みらいは明日には越してしまうという。みらいはどれみに一緒に来ないかと誘う。
一晩どれみは悩んだ。
夕方になり、一緒に行く決意をしみらいの家に向かったが、どれみが着いた頃にはもう引っ越しは終わり家はもぬけの殻。みらいさんと一緒に撮った写真、そしてどれみのつくったグラスが「またどこかで会いましょう」というメッセージと一緒に残されていた。


というような感じ。

好きなところは、やはりみらいさんのキャラクター。
人との思い出を大切にしているけど自分は永久にその大切な人たちの部外者、っていうみらいさんの生き方は、魔女の生き方の光と影を端的に表していて本当に好きなんですよね。
おジャ魔女どれみシャープの「魔法を使わない魔女」で出て来た魔女(名前は忘れたけど、マジョハートの娘)は、人間界でマジョハートとの過去の幸せな思い出を根拠に「人間界は魔女界には無い良い物がある」ってかなり強いあこがれを抱いている魔女。一方、時間の感じ方の違いで婚約者と結婚できなかったマジョドンは、そのときのショックから「人間なんて最低の生き物だ」って言い続けていた。前者の魔女は、人間界の良い部分しか最初から見ようとしていなかったし、マジョドンは逆に、悪い部分しか見ようとしていなかった。でも、魔女が生きていく上での両方の側面を正視した上で、人間界で生きていくっていう考え方をしている魔女が、この「みらい」という魔女のような気がするんですよね。

おジャ魔女どれみシリーズで、人間と魔女の寿命の違いが悲劇の源でした。特に最終シリーズのどっかーんでは大きく取り上げられた問題で、心優しかった先々代の女王様がマジョガエルの呪いを魔女界に残した過去がかなり詳しく描かれており、「人間と魔女が手を取り合って幸せを作り上げるみらいは来るのか」という問題に直結することだったと思います。先々代の女王様の呪いは最終的に解かれ、女王様が希望を抱いて人間界に赴くラストでこの話は幕を閉じましたが、正直、私としては「また同じ悲劇を繰り返すのではないか」という疑問は拭い去れませんでしたし、人間と魔女が共に過ごす未来、というのが具体的に想像できませんでした。
しかし、みらいさんの生き方は、その疑問に一つの大きな答えをくれたような気がします。
やはり、二つの種族の寿命の差は埋められず、そこから生まれる悲劇を防ぐことはできない。しかし、かつて先々代の女王が見出したような温もりが人間界にはあることも事実。みらいさんの生き方は、この両方の側面と向き合った上での、一つの魔女と人間との共存の仕方なのではないでしょうか。

ところで、あらすじを書くにあたって大分省略してしまったのですが、この「どれみと魔女をやめた魔女」、台詞の言い回しがものすごく好みなんですよね。
というわけで、以下にまとめてみました

 

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みらい「ガラスってね、冷えて固まっているように見えて、本当はゆっくり動いているのよ。この海の水みたいにね。ただし、何十年も、何百年も、何千年もかけて、少しずつゆっくりと。あんまりゆっくりなんで、人間の目には止まっているようにしか見えないだけ。でも、何千年も生きる魔女はガラスが動いているのを見ることができる。いずれ、私も、それを見る」
魔女の寿命を例えた言葉です。詩的で、非常に本質を突いてますよね。
おジャ魔女どれみにおける魔女は、水晶玉を使って魔法を使います。また、水晶玉は魔女の証で、命の源でもあります。
ガラスがあまりにもゆっくり動いていて人間の目には止まって見える…比喩のようで、案外直接的な説明でもあったりするんですよね。
スゴく好きです。

 

 

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みらい「この人は…二日しか一緒にいなかったけど、少し、好きになりかけた人」
どれみ「すてき」
みらい「でも、やめた」
どれみ「なんで?」
みらい「私、年上が好みなの」

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みらい「ヴェネツィアの知り合いがね、こっちに来て勉強してみないかって言ってきてくれたの。彼、もうすぐ90なんだけど、彼にガラス教えたの、実は私なんだ」
どれみ「え、それって…」
みらい「彼がまだ私より年下に見えた頃の話。それが今では、私よりもずーっと年上になっちゃった」
人間に恋をする魔女は今までも登場しましたけど、恋をしつつやめるという選択肢を取った魔女は、実はみらいさんだけだったりする。
二日しか一緒にいなかったのも、好きになりきってしまう前に逃げたのかも…?

 


みらい「彼は今、私の事を昔好きになった人の娘や孫だと信じてる。だから、私も、彼が昔好きだった人の娘や孫を信じ続ける。魔女にはこんな生き方もあるのよ、分かる?」
この台詞について余計な説明は要らないですね。

 

 

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みらい「あなたは人間で、まだ魔女見習い。魔女の世界を知っているようで、実は、ガラス越しにしか見ていないようなもの」
私もこの作品の魔女については見えているつもりでいましたけど、見返すたびに、案外見えてなかったのかもしれないな、と思い直します。
みらいさんは背景が語られているようで、語られていないキャラ。なぜ人間の世界で暮らしているのか、その状況や心情はみらいさんの口からは一切語られてないんですよね。

 

 

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みらい「ねえ、あした必ず取りに来て。明後日じゃダメ。明日、必ず」
みらいさんが越してしまうことを明確に表した言葉。
うまく説明できないけど、この言い回し、スゴく好き。