アニメとかの感想書留

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セーラームーンcrystal第三期<感想まとめ>

 

 

・・・やはり私は間違っていた。

 

私はこのアニメを真剣に鑑賞する前に、「このアニメの失敗点は原作を考えなしにそのまま焼き直ししたことにある」と書きましたけど、それは紛れもなく間違いでもあり正しくもあります。

というのもこの言葉、「どうせ漫画をアニメ化するならそれなりの工夫を見せてくださいよ」という意味で言っていたんですね。1期と2期は飛ばし飛ばしで鑑賞していたので、内容そのものよりも、テンポの悪さにばかり目が行ってしまっていたんですよ。しかし実際のこのアニメの欠点は、アニメ的な表現云々などと言った高級な次元での話ではなく、出発点である原作のデタラメな筋書きに起因していました。私は自分の的外れな感想を恥ずかしく思うのと同時に、「物語を鑑賞する際の『積極的に観ようとする意志』の大切さ」を教えてくれたこのセーラームーンcrystal第三期というアニメにある種の敬意を抱きました。

さてさて、一応半分を少し超える辺りまで感想を書き続けていたアニメなので、途中で各話の感想を放棄したとはいえ、最終的なまとめの感想はしっかりと書いておこうと思っていました。しかしここで難題を突き付けられます。先程書いたようにこのアニメ、本質的にはただただデタラメなだけで内容もへったくれもないので、具体的には「ここのどこそこがおかしい」と逐一指摘することでしか「感想を書く」という行動を示すことができないんですよ。しかもこのアニメ、分刻み、いや、秒刻みでこちらの常識を混乱させるようなぶっ飛んでトンデモ展開を繰り出してくるので、真面目に内容に突込みを入れていたら多分それだけで一生を終えてしまう気がします。

 

…ということで、今回のまとめの感想はナシということで。

 

としてしまうと本当にこのアニメに負けたことになりかねないので、強烈に印象に刻みつけられた内容だけピックアップして、「まとめ感想らしきき何か」を作り上げようと思います。

 

全体を通したあらすじ

箇条書きにして時系列順にまとめようと思います。

 

①新たな敵出現

②ウラヌス・ネプチューンの登場と、うさぎを巡る恋模様。

③サターンの出現と世界の運命

 

こう書いてみるとそれなりに内容がまとまっているように見えるのがあら不思議。しかしふたを開ければ中身はぐちゃぐちゃです。

まずは①新たな敵出現について説明しましょう。今回の敵はデス・バスターズと名乗る連中で、異次元宇宙からやって来た侵略者。これまでの敵とは一味違い、人間を化け物に変える、という恐ろしく外道なことをしてくる連中です。しかしセーラームーンたちはこの現象を不気味に感じたり驚いたり嘆いたりという感情の起伏を一切示しません。それどころか、目の前で化け物にされた人間に、敵を殺すためにぶっ放ってきた特攻型の攻撃をためらいなくバンバン打ちまくります。物語の終盤になって、引っ越しした友人を気に掛ける程度に地球の命運について心配しますが、結局最初から最後まで、一般人を心配するような描写はついに一度たりとも描かれることはありませんでした。

 正直、これじゃあ何のために正義の味方をしているんだろう、と疑問に思います。命を懸けて敵に立ち向かう、というのはそれなりの使命感や覚悟が要るもの。自分たちのことしか見えてない人たちが、命を懸けて地球を守るという行動をとるための動機ってなんでしょうね?真面目な話。彼女たちは、将来自らが統治者として君臨する地球というマイホームを守るために戦っているんだと思います。しつこいくらいの繰り返すプリンセス設定や、衛とちびうさとの家族ごっこを踏まえ、本編の内容と何とか辻褄を合わせようとすると、必然的にこういう結論が導かれてしまいます。というか、軒並み選民意識を感じるキャラクター設定を考慮すると、割と作者も本気でそういう内容にしたかったんじゃないかと私は疑っています。

 さてと、続いは②ウラヌス・ネプチューンの登場と、うさぎを巡る恋模様について説明しますが…まあ、簡単に説明すると、はるか(ウラヌス)・うさぎ、衛の三人のなんちゃって三角関係です。

 まあ、なんというか中盤は、本来ならば新しい戦士の登場により盛り上がってもおかしくない、むしろ盛り上がらない方がおかしいような内容なんですけど、肝心の主人公のうさぎは新戦士のウラヌスに関して「男なのか女なのか」ということばかり気にしており、彼女たちの戦士としての立ち位置とか、そういうものは二の次、というか殆ど全く触れられない内容となっていました。その上、ウラヌスたちはウラヌスたちで特に意味も無くセーラームーンたちに必殺技を仕掛けてきたり、かと思えばいきなりセーラームーンに忠誠を誓い始めたり、かと思えば最優先に安全を考えなければならないセーラームーン向かって「助けたくないけど身体が勝手に動いて助けちゃった」的な発言をし始めるし…

シーンが変わるごとに、ちょいちょい設定がリセットされるので、「よくわからない」というのが中盤に対する率直な感想となっておりました。

まあ、でも、一応バイトルヒロインもので、中盤がいくら滅茶苦茶な内容とはいえ、デスバスターズという倒すべき敵が定まっている以上、それっぽくまとめたように見えるラストに仕上がるかなと思ってはいたんですけど…甘い考えでした。

③サターンの出現と世界の運命と終盤の内容を表現しましたけど、本来はキーパーソンとなるべきセーラーサターンは、物語進行上の理由により、特に意味も無く二回殺される結末となります。一度目は、敵に一方的にやられるばかりの足手まといの内部4戦士たちの命を助けるために自ら犠牲になり、そして二回目は、まだ余力を十分に残しているけど何故か世の末を他人事のように傍観しているセーラームーンの替わりに頑張って過労死しました。「とりあえずキャラクターを殺しておけば感動話に聞こえるだろう」という安直な発想が伺える、ある意味漫画版セーラームーンらしい内容に仕上がっていて、その点では納得できる結末だったんじゃないかと思います。

しかしまだこのご都合主義の展開はまだ優しいレベルで…セーラーサターンなんですけど、世界に終焉をもたらすため召喚される前に殺さなけらばならない、っていうのがセーラー戦士たちの定説になっていたんですね。敵が世界をいよいよ侵略する、という場面になってセーラーサターンが召喚されるんですけど、当然ウラヌスたちは「世界の終わりだ」と嘆くわけです。(まあ、普通ならウラヌスたちが敵の侵略とセーラーサターンの登場により二重に絶望したっていう展開なんでしょうけど、作り手がこういうキャラクターの心情を計算していたかは不明。というか多分想定していない。サターンの強さを示すための演出として取りあえずウラヌスたちを絶望させておいた、という方が正のかもしれない…。)しかし、サターンが敵の大ボスと心中しようというシーンになっていきなりサターンのことを心配し始めるという始末。ウラヌスたちからすれば、二大災害要素が相殺して消滅するわけですから、両手を叩いて喜んでいいはず。しかし、「サターンが献身的に死ぬ」という感動を盛り上げようとするために、キャラクターの心情を無視して無理矢理悲しませて見せる、というのがセーラームーンcrystalの恐ろしいところです。

 

 

キテレツキャラクター大百科

月野うさぎ~~セーラームーン~~

能ある脳なしプリンセス

 

まあ正直、この人が幻の銀水晶という何でも願い事を叶えてしまうチートアイテムを持っている時点で、いくら敵が残忍な手段を用いようが、いくら仲間どうしで喧嘩しようが、悲壮感何ていうものは生まれるはずがありません。

まあ、世界の終わりが訪れようが、恋愛が絡まない限り自ら動かない怠け者なので、彼女を働かせるのはある意味敵を滅ぼすよりも難しいのかもしれない。

 

 

内部セーラー4戦士~~セーラーマーキュリーマーズジュピターヴィーナス~~

見方側の戦闘員

 

 本来ならば、セーラームーンに力を貸してくれる頼もしい仲間たち。しかし視聴者の印象に残ったのは、何といってもスッテンコロリン敵の攻撃を受けてぶっ飛ばされるみっともない姿でしょう。

それなりの活躍を見せてくれたのは、敵の末端の末端と戦っている最初の3話くらいまででした。

敵の雑魚幹部には一体一で戦っては敗れ、という展開を5話繰り返した挙句、何故復活したのか作中でも一切の説明が無い再生怪人たちにこれまでのまとめと言わんばかりに再び敗れ、しかもその直後、無限学園探索中に、ビルの崩壊という自然災害に巻き込まれて訳も分からずに敵の手に落ちてしまう、という役立たずっぷり。最終決戦では四人力を合わせてもちびうさごときの火力にすら敵わないという事実を突きつけられ、ついには最終決戦において、肝心な時に敵に魂を抜かれ敵に人質とされてしまいます。

 ところで、私は昔、ポケモンをプレイするときは、最初に貰った一体だけを育てるスタイルだったんですね。バランスよく育成するのは時間もお金も掛りすぎます。相性の悪いジム戦とかになったら面倒なんですけど、控えに居る雑魚を出して時間を稼いでいる間、適当に要のポケモンを回復させてやれば大抵なんとかなる。もしかしたらセーラームーンの作者も、似たような感覚を持っていたのかもしれない。

 

 

天王はるか~~セーラーウラヌス~~

怪人二十面相(?)

 

 男にも女にもなれて、人格がコロコロ変わる。そこから導かれる結論は…!!

 

 彼女には実体なんてそもそもなく、変装の上手い誰かさんたちが替わりばんこで役柄を演じていただけかもしれない。

 

 

海王みちる~~セーラーネプチューン~~

背景のワカメ

 

 恐ろしい程空気のキャラクター。学芸会でおなじみの背景のワカメ、以上に空気かもしれない。

 

 

冥王せつな~~セーラープルート~~

初心者マーク

 

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 ネプチューンと並ぶ空気キャラ。

 

 

土萌ほたる~~セーラーサターン~~ 

拗らせた中二病

 

①暗いところが好き

②急に発作が・・・!!

③いつも黒い服を着ている

 

 一応、②と③については作中で説明あり。ほたるの身体はサイボーグにすることでなんとか命をつなぎとめることができており、全身黒い衣装を着ているのはサイボーグの身体の秘密を隠すため、らしい。しかし、これらのことはほたるを苛める学園の生徒たちの口によって説明される設定ではあるんですけど、毎日黒タイツを履いているから苛めるって一体…そもそも、あんな全身メカニックになっていたら黒タイツを履いたくらいじゃ隠すことなんてできないと思うし、学園生活を営む上で、たとえば体育とかなんかではみんなと一緒に体操服に着替えないといけないのに、隠し通せるの???という純粋な疑問が湧いてしまいます。まあ、いずれにしても作中で「位ところが好き」な理由の説明は一切なかったけど。

 

 

土萌教授~~マッドサイエンティスト~~

「マッドなのは俺だけじゃない!!」

 

登場人物が軒並みマッドです。そういう意味では、土萌教授は全然マッドじゃありません。

というかそもそも、土萌教授がどうしてマッドサイエンティストと呼ばれているのかが謎なんですよね。娘の命をつなぎとめるために、娘の身体をサイボーグに改造するのってそんなにマッドなの???どちらかというと健気な気もするんだけど。

いずれにしても、今回敵が地球に侵略してきたのは、土萌教授の歪んだ心が彼らを招いたからだそうです。ということを、実の娘から説明されてました。ほたるも土萌教授のことをどう思っているのか分からないんですよね。彼の死に対して涙をはらはらと流す程心配して見せたかと思えば、数分後には完全に忘れ去ってしまうし。挙句の果てに、歪んだ心とまで評してしまうし。

まあ、なんどぶり返したら気が済むんだって話なんですけど、土萌教授の、ダイモーンに関する動物実験を狂っているっていう描写がそもそもおかしい。っていうか、動物実験=悪みたいな考えがすでに安直。私はむしろ、人が化物になる現象を自然と受け入れてしまっているこの世界の住人の方が十分にマッドだと思うんですけどね。